日本とニュージーランド、住宅事情は結構違います。今回はそんな住宅事情の中でも家の購入についてお話していきたいと思います。
家は一生に一度の大きな買い物、じゃない?!
日本で家を買うとなると、一生に一度の出来事であったり、先祖代々受け継いだ家、土地を守るということが一般的ですが、ニュージーランドでは既存の家の売買がとても盛んで、それぞれ、その時々の状況に合わせて、自分(たち)にあった家を購入するのが普通です。そういう事情なので、普通に考えると、家の購入には結構な覚悟が必要な感じがしますが、ニュージーランドでは、そんなに覚悟しなくても(?)家を買うことができます。
私自身も、今の家は二軒目。とは言っても残念ながら(苦笑)家を二軒所有しているわけではなく、最初に購入した家を売り、そして現在の家を購入しました。不動産物件のウェブサイトを見ていると、ほとんどが、既存の売り家で、一割ぐらいが新築。家の写真や動画、セールスポイントが細かく書かれています。オープンホームがたいてい週末の決まった時間に行われ、予約などはする必要なく、その時間帯にその物件を訪れ、たいてい入り口には自分の名前や連絡先を記入する紙がおかれてあり、そこに記入して、各自自由に見学をはじめます。実際私の場合の購入の流れはどういったものだったか、次でお話します。
オープンホーム巡り
ここでは、一番初めに購入した家についてのお話です。30歳前後から、自分の家を持つことにあこがれを持ち始めました。貯金を頭金にして小さい家を買おうか、それともこっちで(これも一つの夢だったのですが)大学に行こうか悩んでいた時期がありましたが、結局、えい!と一念発起して務めていた旅行会社を辞め、貯金をはたいてこちらの大学へ入学、そして大学を卒業後、現在でも勤めている会社に入社して一年ほどたった頃、”よし、10年後には家を買おう!”という目標をたてました。
職場で数人の同僚たちがちょうど家を購入していた事もあって、それにも後押しされた感じで、とりあえず、土地だけでも今購入できるなら、しとこうか?!と。そして、まず銀行へ相談へ行き、どのぐらい購入資金を借りることができるか調べました。そしたら、なんとすでに自分が購入したいと思っていたサイズの家ぐらいなら買えるぐらいの資金を借りれることが判明! これには正直驚き、あれ?!もう家を買えるの?!と大喜びでしたv^_^v 。それから早速、物件の見学を開始。
物件のほとんどが週末にオープンホームをするので、銀行から住宅ローンの仮オッケーをもらってからはの週末は忙しくオープンホームめぐり。予算の都合上、1ベッドルームか2ベッドルームの家に絞って物件を探し始めました。一番初めに行ったオープンホームの家をだいぶ気に入ったのですが、いきなり気に入ったからと言ってまだ物件を一つしか見学していないのに、これを買うのはちょっと違うかも・・・と(無理やり?!)思い、引き続きオープンホームで他の家を見学していったのですが、それから次の気に入った家を見つけるまで結局4か月ほどかかりました。最初に見学した家を気に入ったというのは、自分の本当の気持ちだったんだなぁと、後から振り返って思ました。。。
家の値段は交渉次第
さて、こちらの物件のリストを見ていると、値段がついていないものがほとんど。主な値段の付け方として、
1.オークション
2.デッドラインセール
3.アスキングプライス
4.ネゴシエーションオーバー
というものがあります。オークションはご想像通り、家を買いたい人が、一堂に会し、そこで値段を競り合っていきます。二軒目の家は、オークションで購入したので、また別の機会に詳しく書いてみようかなぁと思っていますので、お楽しみに。。。
デッドラインセールというのは、期日が決まっており、その日までにその家を買いたい人はいくらで買いたいか、買う時の条件などを提示して不動産屋さんに提出します。その期日に、一斉に購入希望者の提示したものを比べてどの希望者に交渉権を与えるか、というもの。
アスキングプライスは売り手がこのぐらいの額は欲しいという意思になり、例えばリストには, asking price $550,000などと出ており、できれば55万ドルは欲しいけど、交渉次第で下げてもいいよ、といった感じの、ちょっと優しい感じの交渉方法。
ネゴシエーションオーバーは売り手が、この額からは譲れません!という意思表示で、negotiation over $550,000といった具合にリストには書かれています。どれにしてもメリットデメリットがあるので、売り手の好みでどういう風に値段をつけるかかわるのです。面白いですね。
不動産屋さんの一言にぶちぎれた?!
私が初めて購入した家は、デッドラインセール。その頃、ニュージーランドの不動産がどんどん高騰してきており、私が決めた値段より上の値段を付けた人がいるだろうなぁと半ばあきらめていたころに不動産屋さんから電話があり、私の提示した額が一番高かったんだけど、それでも売り手の希望額に届かないからもう少し値段を上げられないか、とのこと。そう言われ、どうしよう、と少し考えていたら、”誰か親とか親戚とかからお金は借りれないか?”と言われ、その言葉にむかっ(-_-メ)となった私は”これ以上出せるお金は一円もないんです!”ときっぱり言い切りました。もし、相手が親やら親戚やら持ち出さなければ、本当に残り少ない貯金から少し出していたかも、と考えると、私を怒らせてくれた不動産屋さんに感謝です。笑
値段の交渉が成立すると、そこで買い手から提示された残りの条件に売り手が合意して、仮契約成立となります。その他の買い手側が出す条件というのが、大抵の場合はビルディングレポート、保険、銀行の住宅ローンの3つとなります。その家に大きな問題がないか、何か問題があったとしてもどの程度の問題かなどを調べて文書にしてもらったのがビルディングレポートで、私の場合は特に大きな問題もなくホッとしました。このビルディングレポートで思ってもない問題が発覚して、交渉不成立になる場合もあります。
初めて使った弁護士さん
ニュージーランドの家の売買契約は、自分ではなく必ず弁護士を通してする必要があります。物件のセールスは不動産会社を通さず自分でして手数料を節約するということはでき、時々そうしている物件を見ますが、売買契約自体はは弁護士さんの仕事となります。これまで過去一度も弁護士さんに何かをお願いしたことはありませんでしたが、家購入で初めて弁護士さんにお願いすることに。やはりプロが仲介に入ってくれると何事もスムーズに進んだなぁと感心しました。先述した仮契約から何らかの理由で交渉不成立になることがあるといった場合は、ここで使った弁護士さんへの費用とビルディングレポートにかかった費用などでその家を購入しない場合でも経費が発生してくるのです。なので、仮契約から何も問題が起こらず、スムーズに本契約までいくことに越したことはありません。
鍵をもらって晴れて、家持ちに
上記にあげたような方法で、本契約が成立すると、それから平均約一か月後ぐらいで家の受け渡しとなります。受け渡し日に不動産屋さんから家のカギを受け取り、晴れてその家が自分の持ち家になるのです!
たいてい、鍵の受け渡しは夕方なので、実際その家に引っ越すのはその翌日以降ということが多いですが、私の友達カップルなどは、初めてのマイホーム、鍵をもらったその日に、ベッドもないけど、寝袋だけ持っていって、初日からマイホームで過ごしたということも聞きました。念願のマイホーム、そのぐらいしたくなりますよね。
私は鍵をもらったのが木曜日でその週の週末に引っ越しをしました。その日の夜、ウキウキでシャワーを使ったところ、お湯がぬる~い感じでそれ以上温度が上がらない! いきなりトラブル発生で焦りましたが、それ以外は問題なし。ご近所さんたちもいい人に囲まれ、夢(?!)のマイホーム暮らしが始まりましたー!^o^v